環境?社會?ガバナンス化學物質管理
化學物質の中には優れた機能がある一方で、使い方を誤ると人の健康や環境に悪影響を及ぼすものがあります。
富士電機は「環境ビジョン2050」において「自然共生社會の実現」をビジョンとして掲げています。その中で、化學物質を適正に管理することで、環境への悪影響をなくすことを目指しています。
化學物質の管理?削減
富士電機は、國內で、大気汚染防止法に基づいた電機?電子4団體※1の自主行動計畫に基づき、2010年度までにPRTR法※2制度対象物質の環境への排出量と、揮発性有機化合物(VOC)の大気排出量を、ともに2000年度比40%削減するという目標を設定して取り組みを行いました。その結果、2010年度のPRTR法対象物質の排出量は2000年度比40.4%削減、VOC大気排出量は62.2%の削減となり、いずれも目標を達成しました。
2010年度以降は「環境経営3ヵ年ローリングプラン」に自主目標を設定しました。さらに2012年以降は海外拠點の排出量調査も開始して、グローバルでの排出量抑制に取り組んでいます。
2021年度は、PRTR法の対象物質を前年に比べ153トン削減し、排出量目標(グローバル)1,505??未満に対し実績495??で目標を達成しました。VOC排出量を前年に比べ202トン削減し、排出量目標(グローバル)1,694??未満に対し実績617??で目標を達成しました。
- (一社)電子情報技術産業協會/(一社)情報通信ネットワーク産業協會/(一社)ビジネス機械?情報システム産業協會/(一社)日本電機工業會
- 特定化學物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
グローバルのPRTR法対象物質排出量?VOC大気排出量の推移

PRTR法対象物質マテリアルバランス(國內)

注) 全ての生産拠點の排水は排水処理施設にて適切な処理が行われ、排水基準を満たしています。そのため、水域への基準値を超える重金屬等の流出はありません。
製品含有化學物質の管理
富士電機は、電子デバイス、発電?電力、産業?社會インフラ、食品流通、など幅広い製品を世界各地に提供しています。
當社製品には様々な化學物質が使用されるため、お客様に安全?安心にお使いいただくためには、世界各地における化學物質に関わる法規制に対して、以下の方針に従った対応を進めています。
■富士電機の製品含有規制物質の方針
「全ての製品は、関係する環境規制の全てに適合する」
このため、製品に含有、及び、工程で使用される規制物質は(可能な範囲で規制期限を前倒しして)計畫的に全廃?代替化を進め、化學物質のリスクの最小化を目指しています。
この方針に従い対応を進めている主な規制?法*及び地域?國の例を以下に示します。
地域?國 | 日本 | EU | アメリカ | 中國 |
---|---|---|---|---|
規制?法 | 化審法 J-MOSS フロン法 (モントリオール議定書) |
RoHS1指令 RoHS2指令 REACH規則 |
TSCA プロポジション65 |
中國RoHS |
■管理ツール:グリーン調達ガイドラインと部品データベース
富士電機の製品に含有する環境規制物質を適正に管理するため、グリーン調達ガイドラインを制定し、サプライチェーンの方々の協力のもと、製品の化學物質含有情報を入手しています。
入手した情報は社內に構築した部品データベースにより管理しています。
このデータベースでは、chem SHERPAを使って調査スキーム および當社禁止物質の非含有保証書等を管理しています。
■規制物質対応の活動組織
富士電機における製品含有化學物質の管理と情報共有を行うため、2003年から全社橫斷組織として各製品ユニットの設計メンバーで構成する対応WG活動を設置し、現在も活動を継続しています。(年2回の定期會議を開催)
■これまでの富士電機の取り組みの成果
- RoHS1,2指令の対応として
鉛フリーはんだの開発、製品への適用(~2006年に完了)
鉛、カドミウム、水銀の代替:塗料、合金、電子材料を対象(~2006年までに完了)
六価クロムフリー技術の開発、鋼板、めっき、塗料(~2006年に完了)
特定の臭素系難燃剤の代替(~2006年に完了)
特定のフタル酸エステル類4種の代替:ケーブル、コンデンサ、ゴム部品など(2019年および2021年の規制開始前に完了)
蛍光X線分析裝置による定期確認:國內外のコンポーネント系全工場に蛍光X線分析裝置計35臺(2003~2004年)を導入し、部品の受け入れ検査で活用を継続中 - REACH規則への対応として
REACHで要求される製品に含有される化學物質の情報提供を擔保するため、グリーン調達ガイドラインの制定?改定と部品データベースの構築を行い、上流企業(部品部材の調達先)からの情報入手と下流企業等(弊社製品の納入先)への情報提供を継続している。 - フロン法(モントリオール議定書)対応として
自販機において、地球溫暖化係數が1以下の代替フロン冷媒R1234yfの実用化と製品適用(業界に先駆けて2011年に完了) - TSCA PIP(3:1)PBT規制への対応
現在、當社製品での使用狀況の把握を行い、お客様への情報提供を開始している。
現時點の規制日(2024年10月1日)に向けて代替を行っていく予定である。
■海外工場の管理
海外工場では、國內マザー工場の設計仕様を基にした部品?部材の調達および製造管理を行っているので、製品含有規制物質の適正な管理が維持されています。
*補足
- 化審法:日本國法 「化學物質の審査及び製造等の規制に関する法律」
- J-MOSS:日本 工業規格 「JISC0950電気?電子機器の特定の化學物質の含有表示方法」
- フロン法:日本國法 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」
- モントリオール議定書:國際條約 「オゾン層破壊物質を指定し、製造?消費?貿易を規制する議定書」
- RoHS指令:EU指令 「電気?電子機器における特定有害物質の使用制限に関する 2011年6月8日付け歐州議會?理事會司令 2011/65/EU」
- REACH規則:EU規則 「化學物質の登録、評価、認可、及び制限に関する規則(歐州議會?理事會規則 1907/2006)」
- TSCA:米國法 「有害物質規制法(Toxic Substances Control Act)」
- プロポジション65:米國カリフォルニア州法 「安全飲料水及び有害物質施行法」
- 中國RoHS:中國法 「電器電子製品有害物質使用制限管理弁法」