環境?社會?ガバナンスお客様満足の向上
お客様満足(CS)に対する基本的な考え方
富士電機は、お客様のニーズに応える技術開発、ものつくりを推進し、安全?安心で品質の高い製品?サービスを「総力を挙げて」提供するとともに、お客様には誠実に対応し、その聲を製品?サービスの改良に反映することでお客様満足の実現に取り組んでいます。
CS向上の體制
事業セグメントによりお客様が異なることから、事業セグメントごとにグローバルなサービス體制を構築しています。
アフターサービスの枠から事業領域を拡大して、お客様が抱える問題を當社の製品や技術で解決へ導くソリューションサービスを目指すCS推進活動を実施し、お客様満足の向上を推進しています。
グローバルなサービス體制の強化
當社は、経営方針に「エネルギー?環境関連事業の拡大」「グローバル化」を掲げ海外事業強化に向け、現地完結型ビジネス基盤の整備を推進しています。
パワエレ部門では、フィールドサービス部門と東南アジアのサービス部門のハブである富士電機マニファクチャリング(タイランド)社エンジニアリングセンター內のグローバルサービス部門とが連攜し、東南アジア各國への人財派遣、ナショナルスタッフへの教育強化、教育用デモ機の導入、サービス商材の提供、各プロジェクトへの支援等、海外サービスの拡大に努めています。
半導體部門では、より迅速にグローバルなサービスを提供するため、中國シンセン及び歐州ドイツにコールセンターを設置しています。海外コールセンターは、お客様からのお問い合わせや障害調査依頼に対し、販売拠點や工場と連攜し迅速に対応することを目的としています。中國コールセンターではエアコン用IPM製品を含む産業用モジュール製品を、歐州コールセンターは産業用モジュール製品に加え電裝用モジュール製品の調査?解析を行い、地域完結のサービス體制強化に貢獻しています。
発電プラント部門では、お客様に密著した海外での火力?地熱事業のサービスを提供するために、米國、フィリピン、ベトナム、インドネシア、中東の各拠點での営業?技術対応體制の拡充、お客様ニーズの抽出とご提案機會の創出を強化する取り組みを継続的に推進しています。また、新型コロナウイルス感染癥拡大の影響により訪問出來ないお客様に対しては、ウェブシステムを活用したリモート商談、並びにリモート技術指導を提供し、お客様の多様なニーズに応えています。さらに、タービン発電機メーカとしての知見?実績を持つ當社の強みと海外サービス事業會社のノウハウを活用し、サービスのオンショア?オンサイト化を継続推進しています。
食品流通部門では、タイ、インドネシアを中心とした自販機の事業展開を進める中、サービス體制の現地化に向けウェブシステムを活用した教育の実施や関連製品の技術情報共有サイトの拡充、更には修理メンテナンス履歴を管理できるシステムの導入を図り、サービス対応の迅速化に取り組んでいます。
CS向上の取り組み
お客様のお問い合わせに関する対応
セグメント別お客様対応
【パワエレ部門】
プラントシステム全體については、富士電機コールセンターにおいて、お客様からのお問い合わせに対応しています。災害発生時にも受付業務が停止することがないよう、東京工場地區と神戸工場地區の合計2か所で運用しており、電話とウェブサイトを通じて、24時間、365日の體制で、お客様からの緊急対応の要請に迅速に対応しています。また、新型コロナウイルス禍におけるBCP強化として、在宅(遠隔)でも受付業務を継続できる體制を構築しています。
富士電機コールセンターでは、お客様が安心してお問合せいただけるよう、オペレータ全員がコンタクトセンター検定を受験し、技術力及び対話品質の向上に継続して取り組んでいます。また、「お客様ファーストコンタクト時間の短縮」を目標に掲げ、全國のフィールドサービス部門と協力して、スムーズなお客様対応に取り組んでいます。
2021年度の受付件數は前年度比約700件増加の8,431件となりました。また、海外からのお問い合わせ(ウェブサイト経由)は、92カ國より1,438件のお問い合わせがありました。
コンポーネントについては、技術サービスセンターにインバータ?サーボシステム?回転機?HMI?PLC?計測機器?小型電源、全てのコンポーネントのお問い合わせ窓口を集約し、プレサービス~アフターサービスの強化を通じて、お客様サービスの向上を進めています。
技術サービスセンターでは、お問い合わせに要するお客様の時間と手間を削減することを目的に、頻出する質問事項をFAQとして社外ホームページに公開しています。2021年度はインバータのFAQに新規動畫コンテンツを追加、またサーボシステムのFAQの充実を図りました。その結果、インバータに関しては技術相談コール受付件數が対前年14%減少に対し、FAQのアクセス件數は対前年18%増加しました。
さらなるお客様満足の向上にむけFAQ対応機種拡充?レベル向上を目指すとともに、チャットボット等のDX技術の活用を通じて質の高いサービスの提供を推進していきます。
2021年度のコールセンターの受付件數(システム)

2021年度の技術サービスセンターの受付件數(コンポーネント)

【半導體部門】
お客様からのお問い合わせはウェブシステムの活用により、窓口の営業部門と工場間で情報を共有し迅速な対応が図れる體制としています。お問い合わせ內容については、都度対応を図るとともに関連部門と情報を共有し、工程改善や新製品の品質向上に活用しています。また、お問い合わせ內容をデータベース化し、類似案件への回答の參考とすることでお客様対応時間の短縮、回答內容の充実に活用しています。なお、お問い合わせの削減に向けて、製品の使用方法のお問い合わせ分析結果を基にアプリケーションマニュアルに反映し、當社ホームページにて開示しています。
2021年度のお問い合わせ件數は、技術的な調査依頼案件が2,028件ありました。お問い合わせ件數について2022年度は2021年度比5%削減することを目標にしています。
2021年度のコールセンターの受付件數

モジュール製品:IGBTモジュール、IPM(Intelligent Power Module) 等
IC製品:電源IC、車載用パワーIC、圧力センサ 等
ディスクリート製品:MOSFET、IGBT、バイポーラトランジスタ、ダイオード 等
【発電プラント部門】
取り扱い機種がプラント設備のためお客様および納入先が特定できることから、案件毎にお客様?営業部門?技術部門の連絡體制を確立しており、突発事項に対して迅速に対応しています。また、一般のお客様から設備?製品に関する技術的なお問い合わせやご要望がコールセンターに入った際は、それぞれの機種毎に複數の対応者を定めて応対しています。
2021年度のコールセンターへのお問い合わせ件數は387件で、前年度から17件増加しました。
2021年度のコールセンターの受付件數

【食品流通部門】
修理受付窓口とお問い合わせ窓口を東京八丁堀事務所に集約し、コール対応をしています。修理受付?お問い合わせの1次対応は、コールセンターで対応しています。技術相談については、2021年4月より従來の電話対応からウェブシステムを活用した問合せに移行し、お問合せ內容に対する資料送付やお客様との対応履歴(メール回答)をフィールドサービス課で対応しています。
コール対応は、個々のノウハウ?知識?情報の共有を図るために當社獨自のナレッジ検索システムを導入しています。また、一部実機を配備し、お問い合わせの際、現地と同レベルでの會話が出來るような対応を行っています。2021年9月からサービスマン向けに新たな技術支援ツールとしてチャットボットを導入しました。問合せ內容を入力することにより會話形式で解決策を導き、畫像?動畫等による解説を活用した速やかな現場復舊サポートに取り組んでいます。
2021年度のコールセンター受付件數は、自動販売機?店舗?金銭機器トータルの件數は、589,851件でした。そのうち、修理?定期點検等の対応が541,329件、お問い合わせ対応が48,522件でした。また、ウェブシステムを通じた技術サポートを含めたお問い合わせにフィールドサービス課で対応した技術サポート件數は、年間11,241件でした。
2021年度のコールセンターの受付件數

自動販売機:缶?カップ?たばこ?アイス他
金銭:釣銭機 等
店舗:ショーケース、他店舗機器
お客様満足度向上の取り組み
【パワエレ部門】
富士電機コールセンターでは、お客様に安心してお問い合わせいただけるよう、お客様情報を扱う部門として、2005年から情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得しています。2021年度は定期審査を受審し、日々改善を行いながらISMSの維持?向上を図っています。また、受付品質向上の取り組みとして、富士電機グループの各問い合わせ窓口と定期的に連絡會を開催し、お客様対応狀況や課題などを共有することにより、相互連攜を強化しています。
コンポーネントのお問い合わせに対応する技術サービスセンターでは、専屬の1次オペレータと技術スタッフの2次オペレータの體制で対応し、つながり易さを示す応答率(応答數/受電數)は、98.3%と高い水準を維持しています。また、お客様からのお問い合わせに対するオペレータの迅速かつ丁寧な対応に向けた社內教育を拡充し、更なるお客様満足の向上に取り組んでいます。
【半導體部門】
お客様との品質會議を通し、お客様と一體となった改善活動を推進することにより満足度を向上させる取り組みを行っています。
【発電プラント部門】
お客様の様々なご要望にお応えするため、営業部門?技術部門?製造部門が一體となり、省人化、延命化、高効率化、稼働率改善などの取り組みを推進しています。また、國內においては設備稼働率改善に向け劣化診斷?余壽命診斷等の多様なサービスメニューを提供すると共に、設備のトラブルや地震?風水害による事故が発生した場合は、迅速、かつ的確に対応できる體制を構築しています。さらに、海外ではお客様のニーズに対応して、技術者の派遣、ウェブシステムを活用したリモート技術指導、技術者の派遣とリモート技術指導を組み合わせたハイブリッド対応を提供することにより、新型コロナウイルス禍における全世界的な移動制限の狀況下においても、不具合対応や重要な更新案件?定期點検などに対応できる體制を構築しています。
【食品流通部門】
コールセンター人員?フィールドサービス人員へ研修會?情報共有を行っています。新機種を含めお問い合わせが多くなると予想される內容や、お問い合わせが増えてきた內容については、いち早く情報共有を実施しています。また、お客様からのお問い合わせに迅速かつ、的確に対応できるよう定期的に研修會を行っています。なお、研修會につきましては新型コロナウイルス感染癥拡大防止に努め、ウェブシステムによるオンライン研修や少人數の研修を実施しています。
お客様と進めるCSR
販売パートナーとの取り組み
富士電機は、販売パートナーである特約店様を含めた営業活動全體でのCSRを推進しています。バリューチェーンで重要な一役を擔う特約店様向けに、CSRについての概要をはじめ富士電機のCSRの考え方やバリューチェーンでCSRに取り組むことの重要性について理解を深めていただいています。2021年度も例年どおり、當社方針説明會や製品研修會、情報交換會を開催し、品質確保の取り組みや環境負荷の少ないものつくりを理解していただき、當社の製品を販売することが社會への貢獻につながることを認識していただきました。